
万国郵便連合(UPU)は1874年に設立された国連の専門機関で、192カ国が加盟する国際郵便ルールの中核を担う。本部はスイスのベルンにあり、現事務局長は日本の目時政彦氏。国際電気通信連合 ( ITU) に次ぎ、世界で2番目に古い国際機関でもある。
UPUは加盟国間の郵便交換の規則を定めるだけでなく、サービス改善や近代化を進め、電子商取引の拡大に対応した物流やデジタル面での支援も行う。現在は毎時3万5000通以上をデジタル基盤で処理し、国境を越える郵便の流れを管理している。
一方で、手紙などの従来型郵便は減少している。国際郵便物は1991年の82.7億通から2022年には15.6億通まで減少し、国内郵便も同様の傾向。その背景にインターネットの普及がある。
これに対し、電子商取引の拡大によって小包事業は急成長。国内小包は2002年の49億個から2022年には269億個に増加し、国際小包も4700万個から1億2800万個に拡大した。特に中国からの出荷が大きな割合を占めている。
小包事業は今後の主要な収益源とされ、2025年には全体利益の36%に達する見込みだが、約8400社に及ぶ民間事業者との競争は激しい。そのため郵便事業者は配達日数の見直しや料金引き上げを迫られ、さらに送金や行政・福祉サービスなどへの多角化も進めている。
こうした中、UPUは加盟国の新たな収益機会を広げるため、技術やノウハウの共有を進めている。2022年には諮問委員会の参加条件を緩和し、アマゾンなど民間企業の参画を拡大。民間の知見を取り入れることで、配達の効率や追跡精度の向上、紛失率の低下などサービスの改善を図る。
郵便事業は今、公共サービスでありながら民間と競争し収益も確保しなければならないという転換点にあり、その対応力が将来の国際物流の姿を左右するといえる。こうした中で、UPUの役割は一層重要になっている。








